我妻和樹監督の講演会を開いてみませんか?
東日本大震災の津波で被災した宮城県南三陸町の漁村「波伝谷(はでんや)」に2005年から関わり続け、震災前後の12年間に『波伝谷に生きる人びと』『願いと揺らぎ』の2つのドキュメンタリー映画を製作し世に送り出した我妻和樹監督。
長年に亘り一つの地域を愚直に撮り続けてきた我妻監督のお話を通して、人が大きな災害を経験してもなおその土地で生きようとすること、そして地域とともに生きようとすることがどういうことなのかについて一緒に考えてみませんか?
■講演タイトル
「震災を経ても土地に生きる~南三陸町波伝谷、12年間の映像記録を通して~」(依頼に応じて変更可能です)
■講演時間と内容
波伝谷(南三陸)の震災前の暮らしや震災後の混乱と葛藤について、写真や映像を見ながらお話しします。お話自体は70分程度ですので、主催者挨拶や質疑応答も含めて90分が最適です。大学の授業や企業・各種団体が開いているセミナーなどに向いています。(映画上映後のトークについては別途ご相談ください。)
■準備物
資料・写真・映像を投影するのにノートパソコン(DVD再生可)・スクリーン・プロジェクター・スピーカーなどの機材が必要ですが、無くても資料を読むだけで講演が可能です。
■経費・監督講演料について
資料の印刷費は主催者側にお願いしております。また監督の旅費(実費)のほかに、監督への講演料(要相談)が必要になってきます。
■我妻監督プロフィール
本サイトのプロフィールをご参照ください。
■各作品の公式サイト
『波伝谷に生きる人びと』(2014年/135分)
『願いと揺らぎ』(2017年/147分)
■問い合わせ
peacetree_products@yahoo.co.jp
<本講演の社会的意義について>
宮城県白石市出身の映像作家である我妻和樹監督は、東日本大震災の津波で被災した宮城県南三陸町の漁村「波伝谷(はでんや)」を舞台に、震災前後の12年間で2つのドキュメンタリー映画を作り上げました。
震災前の日常を追った『波伝谷に生きる人びと』では、地方で土地に根差して生きる人びとの普遍的な姿が描かれると同時に、今「被災地」と呼ばれる東北沿岸部にかつてどのような人の営みがあったのかが生き生きと映し出されています。そして震災後の歩みを追った『願いと揺らぎ』では、コミュニティが分断された震災から1年後の波伝谷を主な舞台に、人びとの復興への願いと、それぞれの立場と想いのすれ違いからくる心の揺らぎが、地域の伝統行事復活の過程をめぐって描き出されています。
震災後に被災地に入った映像作家はたくさんいますが、我妻監督のように、震災が起きる6年も前から現地の方々との信頼関係を築き、そこに生きる人びとの姿を愚直に見つめ続けた作家はほかにいません。また、元々は大学の民俗調査のために波伝谷を訪れたという我妻監督ですが、民俗学で培われた深い観察力を土台として作られた作品の中には、時代の変化という波に晒されながらも、土地に根を張り、しなやかに存続する地域コミュニティのリアルな姿が映し出されており、それが一層、震災によって変わったもの、失われたもの、それでも途絶えずに続いているものが何なのかをまざまざと教えてくれます。そして膨大な時間と映像の集積を通して浮かび上がってくる人と人との「共生」のあり方は、ほかの震災関連の映画にはない強い説得力に満ちています。それは震災に限らず、昨今のさまざまな災害を経験した地域の復興支援のあり方、あるいはまちづくりや地域研究のあり方を考える上でも非常に有効な視点を提示できるのではないでしょうか。
もはや災害のある日常と隣り合わせに生きている現在、わたしたちは大きな災害を経験した一つの地域から多くのことを学ぶ必要があると思います。これまで当たり前と思っていたことが、次の瞬間にはそうでなくなるかもしれない。しかし厳しい現実に直面してもなお、人は何故再びその土地で、地域とともに生きていこうとするのでしょうか。震災時、そこに居合わせてしまった一人の記録者の目を通して考えることができればと思います。
『願いと揺らぎ』プロデューサー 佐藤裕美
<講演実績>
・2017年12月9日 大正大学 地域連携・貢献論ー東北再生ー
・2017年12月20日 立教大学 環境と文化
・2018年1月11日 中央大学 地域を観る
・2018年1月24日 埼玉大学 地方財政論
・2018年2月1日 NPO都市住宅とまちづくり研究会 一木会
・2018年3月3日 パルシステム生活協同組合連合会 無料講演会
・2018年6月28日 みちのくふる里塾 定例会
・2018年10月19日 佐賀大学 職業キャリア論
【共催:富田義典(芸術地域デザイン学部教授)・宮城県人会さが】
・2018年11月3日 国立民族学博物館 友の会講演会